冷蔵庫でよく受ける修理依頼について解説していきます。
冷蔵室だけ冷えない
これは真ん中のドアが冷凍室になっている冷蔵庫で発生します。
そのタイプの冷蔵庫は、冷凍室のみコンプレッサーで冷やしており、
その冷気をファンモーターで、冷蔵室に送ることで、冷蔵室を冷やしています。
このファンモーターが、なんらかの原因で動かなくなると、
冷凍室は冷えているのに、冷蔵室が冷えないという状況になります。
ちなみに、野菜室は冷気を下に落としているだけです。
冷たい空気は自然と下に落ちるため、
野菜室の奥の方についている電動扉の開閉で、温度を調節しています。
野菜室のこの扉の付近は、冷気が降りてくる場所なので、凍ることがあります。
冷蔵庫全体が冷えない
原因は大きく分けると3つです。
ドアが長い時間空いていた(閉め忘れ)
これは非常によく起こります。
- 扉を閉めたつもりでも、空いていた
- 冷凍室の奥にものが落ちていて、ちゃんと閉めても最後まで締まりきっていない
- お子様が閉め忘れた
色々なシチュエーションで開けっぱなしは起こります。
扉が閉まっていないと
- 製氷室の氷が一番初めに溶け始める
- 冷凍室のものが溶け始める
- エラー表示が出る
このように段階を追って冷えなくなってきます。
冷凍室のものが溶け始めると焦りますよね…
まずは、扉がきちんと閉まっているか確認しましょう。
ピーピーと音が鳴る機種もありますが、扉が閉まっているかどうかは、磁石で検知しているため
1cm以上空いていないと鳴りません。
音が鳴っていなくても開きっぱなしになっているという状況は全然あり得るので注意しましょう。
そして、冷蔵庫の側面を触ってみてください。
温かくなっていれば、扉をきちんと閉めれば冷えは戻ってきます。
冷蔵庫の中が暖かくなってしまうと、コンプレッサーは頑張って冷やそうとしますので
冷蔵庫の側面がいつも温かいのですが、いつも以上に温かくなりますので
冷やす機能が故障していないか触診することができます。
焦ってしまう気持ちもわかりますが、まとめとして修理依頼をする上で以下のポイントを確認してください。
- 扉が開きっぱなしになっていないか
- 冷蔵庫の側面は温かいか→温かいなら様子見
- 冷蔵庫の後ろの方から「ウー」という音がなっているか→なっているなら様子見
- エラー表示が出ていないか→出ていなければ様子見
コンプレッサーの起動系、電気系統の故障
コンプレッサーが動いていないと冷蔵庫は冷えません。
コンプレッサーを動かすためには、コンセントから来ている電気を届ける必要があります。
その中継役になっているのが、基盤(きばん)やハーネス(配線)です。
基盤の故障で電気がコンプレッサーに届けられなくなったり、
配線が切れてしまったりすると、冷やす機能自体が動かなくなります。
概ね基盤の交換ですぐに治ります。
また、この場合エラー表示を必ず出しますので、チカチカ点滅しているところはないか、
いつも見ない数字やアルファベットの表示が出ていないか確認の上、修理の依頼をかけましょう。
基盤の交換は、概ね15000円〜40000円ほどかかります。
金額の幅が広く申し訳ないのですが、メーカーや機種によって差が大きいです。
冷媒回路の故障、ガス漏れ
冷蔵庫の冷える仕組みについても、エアコンと同じように冷媒(ガス)が使われています。
エアコンと違うところは、
工場で製品が生産されてから、設置されて、使用して、買い換えるまで
故障などがなければ、人の手で繋いだりする作業がありません。
エアコンは、室内機と室外機を設置するときに人の手で配管を繋いで、配管内を真空にして
ガスを解放するといった作業がありますが、
冷蔵庫はそれがないため、基本的にガス漏れが起きる件数は少ないです。
私が見るのは年に1回から2回くらいです。
それでもたまに起きてしまうことがあります。
その時は、コンプレッサーとガス漏れ箇所の部品を交換し、ガスを入れ直す必要があります。
この作業は火を扱う上に、冷蔵庫のガスは可燃性なため、家の中ではできない場合が多いです。
私の所属しているメーカーでは、基本的には、貸出機をお客様には使っていただき、冷蔵庫本体をお預かりして、
会社で修理作業をします。
修理金額は、10万円前後になるため
料金が発生する場合は基本的に買い替えになることが多いです。
延長保証がある場合に、作業をすることになるので、年に数回は部品交換をしています。
氷ができない
冷蔵庫は機種によって、自動で氷を作る機能がついています。
給水タンクに入れた水が、自動で、冷凍室に落ちていき、凍ったら製氷室に
氷が落ちてきます。
氷を作る動作には、
水を吸うポンプであったり、できた氷を落とすために回転するモーターが関わっています。
これらの部品が故障を起こすと、氷ができなくなりますので、部品交換が必要になります。
氷関係の修理には、20000円〜30000円の費用がかかります。
保証があれば、料金発生なく修理可能なので、メーカーに依頼をかけてみましょう。
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