冷媒回路の部品とは、
エアコンの冷える仕組みに関係する部品です。
コンプレッサーや四方弁、熱交換器などのことを
指します。
エアコンはなぜ冷えるのか?
その仕組みとともに冷媒回路について解説していきます。
冷媒とは?
冷媒(れいばい)とは、よくガスと言われているものです。
成分は代替(だいたい)フロンと呼ばれるものです。
フロンガスといえば…地球温暖化関係の話を聞くときに一緒に聞いたことがないでしょうか?
フロンガスは地球のオゾン層を破壊するため、今ではなるべく使わないようにしようと
各国で努力しています。
最近のエアコンはR32というガスが使われていますが、
一昔前(2014年くらい)まではR410Aというガスが使われていました。
R32のガスは、R410Aのガスに比べてオゾン層を壊しにくいものになっています。
破壊しにくくても、みだりに大気に放出をしてはいけないので、
扱う業者さんは慎重に回収作業をしています。
ガスは液体から気体に変わると気化熱が発生し、冷たくなり
ギューッと圧縮すると気体から液体に変わり、凝縮熱が発生し、暖かくなります。
この性質がエアコンの仕組みにぴったりだったので、現在はR32が選ばれています。
R32は微燃性で、高濃度部分に火を近づけると少し燃えますが爆発等の心配はありません。
また、人体に無害なので、万が一ガス漏れが起きても生命の心配はいりません。
エアコンの冷える仕組みについて
皆様考えたことはありますでしょうか?
ぱぱ!まま!エアコンてなんで冷えるの??
なんて子供に質問されたことはないでしょうか?
そんな時は胸を張って
気化熱で冷えているんだよ!
と答えてあげましょう。
気化熱とは?
よく例えられるのは、「打ち水」です。
暑い夏に、道路や駐車場に水をかけると
周辺の温度が少し下がり、ひんやり感じるようになります。
江戸時代から続く、日本の風習の一つですね。
詳しく答えると、液体が蒸発して気体に代わるとき、吸熱反応というのが起きて
周辺の熱を奪います。
実は、エアコンもこの反応を利用してお部屋を冷やしています。
エアコンの仕組みを解説していく前に、これらの用語について触れておきます。
人間でいう心臓の役割をしています。人間の心臓は血液を循環させるポンプの役割をしていますが、コンプレッサーはエアコンの配管内全体にガスを循環させる役割をしています。
エアコンの室内機の中にある部品で、外とつながっています。銅管の中にガスが流れ、アルミフィン(銀色の部分)にガスの熱が伝わります。エアコンの上から風を吸い込み、この部品に風が当たり、温度が変わった風が吹き出し口から出てくることで、お部屋の空気の温度と、ガスの温度を交換しています。室外機にもついていて、そちらは(コンデンサ)と呼ばれています。
電動膨張弁はガスをギューッと圧縮する場所の役割を担っています。四方弁はガスの流れる方向を切り替えていて、冷房と暖房を切り替える役割を担っています。
では、これらの用語を踏まえたうえで、
エアコンで冷房をかけると…
- コンプレッサーが起動する
- 液体のガスが室内機のほうに流れる
- ガスがお部屋の暖かい空気に触れ、気体に蒸発する(気化熱発生!)
- エバポレータが冷たくなり、暖かい空気が冷たい風に変わって出てくる。
- 室内機から気体になったガスは室外機に戻ってきてギューーっと圧縮され暖かくなる。
- 暖かくなったガスは外の熱交換器で液体に戻されて、コンプレッサーまで戻ってくる。
- コンプレッサーが液体状のガスをまた室内機に送る。
この繰り返しが起こります。
この時のガスの通り道のことを
冷媒回路
と呼びます。
ガスは液体になったり、気体になったり、高圧になったり、低圧になったり
いろいろな状態変化を起こします。
高圧とか、低圧とかいうと難しく聞こえますが、
要するに、細い道を通ると水道の蛇口の先端をすぼめた時のように、
勢いが強くなります。この状態が高圧です。
反対に太い道を通るときには、流れがゆっくりになり、低圧の状態になります。
エアコンは、風を発生させるだけではなく、コンプレッサーがガスを流していることによって気化熱が発生し、お部屋を冷やしています。
簡単に説明すると、
- ガスをギューッと圧縮して温める
- 室内機に暖かい気体の状態で流れる
- 室外機に帰ってきたら膨張弁という場所を通り、冷たい液体になる
- またガスをぎゅーっと圧縮して温める
専門用語が増えてしまうのでだいぶ端折っていますが、
大体こんな感じです。
暖房の場合は気化熱ではなく、反対の反応「凝縮熱」を利用しています。
ギューッとガスを圧縮すると、凝縮熱であたたかくなります。
この時凝縮するために電動弁(でんどうべん)がその役割を担っていて、
これも冷媒回路部品の一つです。
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