エアコンのトラブルは、よく使う真夏、真冬によく発生します。
真夏は特に修理依頼が桁違いに増えるため、
修理の業者さんが到着するまでに結構日数がかかることがあります。
シーズン本番を迎える前の6月や、10月ごろに
一度冷房か暖房をつけて、テストしておくことをおすすめします。
ハウスクリーニングやエアコンクリーニングはプロにおまかせ!【ユアマイスター】
ガス漏れ
エアコンで冷房をつけても、風は出るが冷たくない…
暖房をつけても暖かい風が一向に出ない…
ガス漏れが起こるとこのような症状になります。
ガスとは、冷媒のことで、別記事で解説していますので、こちらを参考にしてください。
ガス漏れが発生する原因は主に3つです。
フレアとは?
設置時の施工不良
エアコンの室内機と、室外機のガスの流れる道は、2本の銅管で接続されています。
エアコンを設置するときに、この銅管は
室内機側で2箇所、室外機側で2箇所
人の手で接続する箇所があります。
この接続する部分に、銅管をラッパの形「フレア」という加工がされています。
人の手で接続する時に、
「トルクレンチ」という工具で
決まった力で締め付けてあげないと、
銅管は非常に柔らかいので
すぐに変形して、ラッパの形が崩れてしまい、ガス漏れに至ります。
購入すぐ〜半年ほどでエアコンが効かなくなった場合は
「フレア」が壊れている可能性が高いです。
また、ゆるくてもガス漏れを起こすため、人為的なミスも起こることがあります。
冷媒回路部品の劣化
室内機の中に入っている、
エバポレーター(熱交換機)でよく起こります。
冷房でエアコンをかけると、
実はエアコンの中にかなりの量の
「水」が発生しています。
これは、結露水です。
冷たい水の入ったコップを暑いお部屋の中に置いておくと、コップの周り水滴がつきますよね。
これと同じことがエアコンの中のエバポレータ(熱交換器)で起こっています。
この後説明する『水漏れ』でも触れますが、
この水がうまく外に流れていかないと、エアコンの中に留まり、
ついに溢れると水漏れに至ります。
つまり、室内機は夏の間かなり長い時間水にさらされていることになります。
これが原因で、錆が発生し、腐食し、エバポレーターからガス漏れを起こす場合があります。
環境要因
これは温泉地ではよくある話と噂で聞いたことがあります。
ガスの通り道は、基本銅管でできているため
銅の成分に何か化学物質が触れると腐食してしまいます。
温泉地には、硫黄が発生する地帯があるため
銅を腐食させ、黒く変色を起こしてしまい、ガス漏れに至ることがあります。
温泉地以外の例では、私がみたことがあるのは、
下水道がなく、浄化槽がついていて、半年に一度ほど汲み取りをしているお宅で、
浄化槽の近くにエアコンがあり、
浄化槽から発生した硫化物が銅管を腐食させていたケースがありました。
据付要領書には、浄化槽の近くに設置しないことと、記載があるはずなのですが、
自分の家のエアコンの室外機の近くに浄化槽がある場合は要注意です。
フィルター詰まりと自動掃除機能の不具合
フィルター詰まり
エアコンのトラブルで、よく依頼が来るのはやはり一番は
「お部屋が冷えない」
「お部屋が暖まらない」
「風が弱い」
この依頼がとても多いです。
もちろんガス漏れや、冷媒回路の異常で冷暖房が効かない場合もありますが、
風が弱い場合は、90%くらいの確率で
「フィルター詰まり」です。
特に多いのは、次に紹介する「自動お掃除機能付き」のエアコンの
フィルター詰まりが原因で冷暖房効かずの修理依頼が後を絶ちません。
自動お掃除機能がついていても、メンテナンス不要というわけではなく
人の手でメンテナンスが必要となっています。
自動お掃除機能について
自動で掃除する箇所は、
- エアフィルター
- カンリュウファン(風の吹き出し口の奥で回転しているシロッコファン)
- 熱交換器(エバポレーター)
等です。
どのメーカーも、標準機種以上のグレードになると自動お掃除機能が付いてきます。
フィルターのほこりを自動で集め、
ダストボックスに溜まっていく、もしくは屋外に排出する
といった機能です。
しかしながら、室内に発生するほこりの量は、家庭によっても差はありますが
ペットがいたり、静電気を帯びるテレビが近くにあったりと、
条件次第では、かなりの量のほこりが発生しています。
自動お掃除機能で、すべてのほこりをカバーできないのが現状です。
自動お掃除で取り切れなかったほこりは、エアコン内部に溜まり、故障に至るケースは
往々にして散見されます。
また、自動お掃除機能自体の故障もよくあります。
フィルターのつけ方を誤ったり、取り切れなかったほこりが動きを阻害して
自動お掃除の可動部分が故障に至ります。
ブレーカーが落ちる
基本的にブレーカーが落ちる場合、室外機の故障のことが多いです。
室外機の制御基板の電子部品の不具合や、
虫が中に入ってきてしまい、電子回路をショートさせている場合です。
また、冷媒回路の故障の場合もあります。
コンプレッサー自体の劣化による、絶縁抵抗値の増大
電動弁コイル劣化
等が考えられます。
異常音、変な音がする
室内機
室内で異常な音がするケースは
- ファンが一部割れてバランスが悪くなり、振動音が響いている場合。
- 自動お掃除機能の不具合
- 左右上下の風の向きを調節する部品の不具合
- 異物混入(虫など)
- ファンにほこりが付着することにより発生する風切り音
おおむね上記のケースが多いです。
寝室のエアコンなどでは、特に小さな音でも気になりますよね。
機能をオフにすることで消すことができる音もありますので、まずは説明書を見て
自分で解決が難しい場合は、メーカーに修理依頼を頼んでみましょう。
室外機
室外機の異常音発生ケースは
- 共振によるビビリ音「ビーン」
- コンプレッサの故障音「ゴロゴロ」「がりがり」
- ファンのがたつき音「がたがた」
が多いです。
ビビり音は、小さいお部屋の6畳用などでよく発生します。
コンプレッサーが動くと、冷媒回路はかなり振動を起こします。
その振動が室外機全体に響き渡ってしまう場合があります。
ホームセンターで販売している、「防振マット」などをエアコンの
足にひいて、対策することもできます。
また、台風や風の強い日が続くと、ファンが逆回転してしまい、中心のねじが緩んできてしまうこともあります。
そうなると、がたがた大きな音を立てるようになってしまいます。
コンプレッサーの音は正常だと「ブーン」という音なのですが、
劣化が進むとだんだんと「ゴロゴロ」音になってきます。
だんだんと大きくなってくるので、気づかないこともありますが
室外機の音は、故障の前兆だったりしますので、異常を感じたらメーカーに問い合わせてみましょう。
いざ、コンプレッサーが動かなくなってしてしまうと、冷暖房が一切使えなくなるため、
暑い中、寒い中、何日間か我慢しなくてはいけなくなるかもしれません。
冷房かけると、暖房になる、又はその逆
基盤か四方弁(しほうべん)の故障です。
コンプレッサーは基本的に「吸って」「吐く」動作しかできません。
しかし、冷房と暖房ではガスの流れが逆になります。
どのようにして逆にしているかというと、
「四方弁」しほうべん
という部品が重要な役割を担っています。
四方弁が動くことによって、ガスの流れ方が変わり、冷房と暖房を切り替えていますので
四方弁が動かないと、切り替えができません。
冷房をつけても暖房になったり、その逆になる例は「四方弁」に不具合が起きています。
四方弁が動かなくなる原因ですが
- コンプレッサーから出た鉄くずの詰まり
- 基盤の故障で、四方弁を動かすための電気が送られない
の2通りです。
四方弁は磁石で動かしているので、鉄くずなどは寄ってきてしまいます。
冷房暖房が逆になる症状の場合は、四方弁・コンプレッサー交換になることもあります。
これは銅管を一度切ってつなげる「ろう付け」作業が必要なので、作業時間が結構時間がかかります。
水漏れ
これは、夏場の冷房を使う時期に発生します。
暖房では水を発生させないため、水漏れは起こりません。
水漏れの要因
ドレン詰まり
冷媒回路部品の劣化によるガス漏れの部分で少し触れましたが、
冷房をかけるとかなりの量の結露水が発生します。
この結露水は、正常であれば、室内機から「ドレンホース」を伝って、外に排出されます。
エアコンの室内機の下半分はつゆ受け皿になっていて、ドレンホースにつながっています。
ドレンホースとは、エアコンに接続されている排水ホースの名称です。
ドレンホースは室外に出ているため、虫の混入や、泥の堆積、水垢などで詰まることがあります。
ここが詰まってしまうと、結露水が外に排出されなくなり、室内機からあふれて出てきてしまいます。
【対策法】ホースの先端に防虫キャップを取り付けたり、ホームセンターなどで販売しているドレンホースクリーナーを使って、詰まりを解消すれば、水漏れは止まります。
つゆ受け皿の破損
結露水を外に排出する前に、熱交換器から発生した水は、つゆ受け皿にいったん落ちます。
つゆ受け皿は、室内機の風の出口に近いところにあるため、
寒いお部屋の時は冷たく、暖房をかけると暖かく
熱いお部屋の時は暖かく、冷房をかけると冷たく
非常に温度変化の激しい部分です。
プラスチックで作られているため、温度が変化すると膨張、収縮します。
これが原因で、ひびが入ってしまい、水がぽたぽた漏れてくることがあります。
ここから漏れてしまうと、部品交換をする必要がありますので、
部品交換をしないと、水漏れは止まりません。
ガス漏れ
ガス漏れが起きることで、水漏れに至るケースもあります。
ガス漏れは、
100%漏れ→全く冷えない
60%漏れ→ほぼ冷えなく、水漏れなどが発生する
40%漏れ→冷えが悪いような気がする
20%漏れ→冷暖房効率は低下するがほぼ影響なし
と、漏れ具合によって症状が変わります。
60%ほど漏れていると、ガスが細い道で詰まるようになり、
室外機のサービスバルブという部分で上側(細いほう)だけ霜がつくようになったりします。
室内機でも、冷たい部分と冷たくない部分ができてしまい、
温度差が大きくなり、異常な量の結露水が発生してしまい、
つゆ受け皿に水が落ちなくなり、ついには室内にぽたぽた水漏れする場合があります。
熱交換器の親水性の低下
これは、「水漏れ」というよりは、「水飛び」と呼ばれています。
熱交換器(エバポレーター)は、結露水がサーッとつゆ受け皿に流れていくような
コーティングがされています。
このコーティングが、親水コーティングです。
親水(しんすい)とは、撥水(はっすい)の逆の意味です。
熱交換器が撥水(はっすい)してしまうと、水玉のように、熱交換器に水が溜まってしまいます。
熱交換器は、風の吸い込みに熱を加え、吹き出している中継地点のため、
風に流されて、ファンのほうに水が飛んで行ってしまうと、
ファンに水が当たり、ぴょんぴょん水が室内に飛んできてしまいます。
結露量が多すぎても、水飛びを起こすことがあります。
岩盤浴など利用したことがある方、体を冷ますお部屋で、エアコンからの水飛びを見たことはないでしょうか?
ガンガン冷房をかけすぎても、水飛びします。
親水性が低下してしまう要因は、主に油分です。
- キッチンの近くにエアコンがある
- お部屋でよく焼肉などをする
- お部屋でタバコを吸う
などが原因になったりします。
また、エアコンクリーニングでは、熱交換器の洗浄をするため
親水コーティングをはがしてしまうようなクリーニングをかけてしまうと
クリーニング後から水飛びに至ったりします。
信頼できる業者さんにエアコンクリーニングは依頼しましょう。
私もエアコンクリーニングの技術は持っていますが、
メーカーの人間でも完璧にできる人はなかなかいません。
信頼できる業者さんを探すのも、こんな時代だと一苦労ですね…
過冷却
先ほども少し説明しましたが、ガンガン冷房をかけすぎると水が飛んできてしまいます。
これは、「過冷却」(冷やしすぎ)が原因です。
ただ、冷やしすぎた心当たりがないのに、過冷却が起こってしまう条件があります。
それは、
- 吹き抜けの天井のお部屋
- 室内機のすぐそばに換気扇がある
- お部屋の断熱性が非常に悪い
- 冷房の能力とお部屋の広さが合っていない
などの条件があると、いくら冷房をかけても
エアコンが頑張りすぎてしまって、過冷却になり、電気代も上がり
水も漏れてきてしまうといったことになります。
エアコン能力の選び方については、エアコン選びの基本になりますので、
別記事で詳しく解説しています。
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